ピエンツァってどんな町?
「ピエンツァ」はシエナの南東に位置する町で、シエナからバスで1時間半程度で着きます。
トスカーナの小高い丘に静かにたたずむこの町は、周りを見渡すと、美しい丘陵が広がっています。
東西400メートルほど、歩いてもすぐ1周できてしまうほどの小さな町でしたが、「どこを切り取っても絵になる」そんな町でした。
この地で生まれた教皇ピウス2世が、故郷であるこの村を「自身の理想とする都市」にするために計画的に設計された町だそうです。
(ピエンツァの歴史を参照)
町の中心部には広場があり、それを囲むようにルネサンス様式の美しいドゥオーモ(大聖堂)や宮殿などが建てられています。
広場に集まったり、家の玄関やベランダに花を飾ったり、日々の暮らしを丁寧に楽しんでいらっしゃるように見えました。
ピエンツァの地図
ピエンツァの歴史
ピエンツァの歴史について、簡単にまとめてみました。
- 9世紀〜
古くは「コルシニャーノ(Corsignano)」という名称で呼ばれていた小さな村落だったそうです。
●土地の所有者の移り変わり
もともと、トスカーナ州 南部 アミアータ山(monte Amiata)の大修道院がこの土地を所有していた
→ 次いで シエナの自治都市の手に移る
→ 最後に、シエナの貴族 ピッコローミニ家 の領土となる
※神聖ローマ帝国の皇帝から、シエナの貴族ピッコローミニ家にヴァル・ドルチャ(オルチャ渓谷)の土地を与えられ、その中にコルシニャーノも含まれていた。
- 1405年
後に教皇ピウス2世となる、エネア・シルヴィオ(Enea Silvio)が誕生。 - 1458年
エネア・シルヴィオが教皇ピウス2世となり、「簡素で小さなこの生まれ故郷を、理想とする町に作り替えたい」という想いで、町の名称を「ピエンツァ」に変更。
理想郷の実現は3年計画で構想され、当時フィレンツェで有名だった建築家 ベルナルド・ロッセリーノが、設計者として任命されました。そして、フィレンツェで全盛となっていた、ルネサンス様式の家や邸宅の建築が進められていったそうです。
教皇の指示とあっては協力せざるを得ず、多くの民間人・領主・貴族・枢機たちも力を貸し、街づくりは推し進められました。
●コルシニャーノ時代から残されたもの
・道路の一部
・サン・フランチェスコ教会
・サン・ヴィート教区教会:町の郊外に建つ、ロマネスク様式の教会。(コルシニャーノ最古の建築だそうです。)
これら以外は、全て取り壊され、新しく作り直されたそうです。
- 1464年
ピウス2世が突然死、相次いでロッセリーノも亡くなる。
二人が亡くなったことで、夢の都市計画は断念され、街は未完成のまま残されることになったそうです。
この都市計画で生まれた、ルネサンス様式の傑作
・ピウス2世広場
・ピッコローミニ宮
・ドゥオーモ(大聖堂)
- 16世紀〜18世紀
街は一時的に廃墟に。 - 1930年〜
修復工事が開始され、町が復活する。 - 1996年
ユネスコの世界文化遺産に登録
一時、町は廃墟になってしまったものの、90年ほど前に修復が開始されて見事復活。
ルネサンス芸術の魅力が詰まったこの町には、たくさんの観光客が訪れるようになりました。
ピエンツァの歴史を知ったところで、次は実際に街に行ってみようと思います!
シエナからピエンツァに、バスで向かいます
シエナでバスチケットを購入
バスセンターの窓口は英語が全く通じず、かなり焦りました。
たまたま居合わせたイタリア語の話せる日本人の男性に助けてもらい、何とかチケットを購入することができました。
地方の町では、イタリア語しか通じないことが多そうです。
車窓の景色がとても美しいです
シエナを出ると、間も無く広い丘陵地帯に出ました。
なだらかに広がる丘に、所々オリーブの木やブドウ畑・糸杉などがあってとても美しかったことを覚えています。
バスの隣に座っていた、おそらくイタリア人の女性もたくさん写真を撮っていました。
バスの窓ガラス越しで上手く撮影できていないのが悔しいですが、「この景色を見るために、もう一度このバスに乗りたい」と今でも思います。
実際は、写真の何百倍も綺麗で広大な景色でしたよ。
ピエンツァに到着
小さなバス停なので、乗り過ごしに気をつけて
ピエンツァのバス停に着くと、私の他にスーツケースを持ったカップルが下車していきました。
観光客は思ったほど多くなくて、村全体がのんびりとした雰囲気でした。
とっても良いお天気で、木漏れ日が美しかったです。
バス停を降りて、バスの進行方向に向かうと、ピエンツァの旧市街が見えてきます。
運転手さんからのアナウンスや、掲示板でのバス停名の表示も無いのでぼーっとしていたら乗り過ごしてしまいます!
私は、隣の席の女性に「ピエンツァで降りたい」と伝え、着いた時に教えてもらうようにお願いしました。
自信のない方は、バスの運転手さんや近くの人にピエンツァで下車することを伝え、到着したら教えてもらうといいと思います!
早速、ピエンツァの集落をのんびりお散歩しようと思います。
ピエンツァで宿泊した宿をご紹介
私は「OLIVIERA CAMERE」というお宿に、素泊まりで1泊しました。
エントランスに青い自転車が停まっていて、何だかいい感じです。
ピエンツァの素敵なホテルをチェック
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村の中心部「ピウス2世広場」へ
ピエンツァの大聖堂(ドゥオーモ)
中心部「ピウス2世広場」には、村のシンボルである大聖堂があります。
ルネッサンス様式のファザード、白い石造りの壁面が印象的。
目の前に広がる広場には、いつも人が訪れていました。
本堂の左側には、八角形の形をした鐘楼があり、村のシンボルになっています。
ピッコローミニ宮
ルネサンス初期の建築家ベルナルド・ロッセリーノの代表的な建築。
ピッコローミニ宮には、有料で入場することができます。
中庭を抜けると、とっても美しい庭園が広がっており、テラスから見えるオルチャ渓谷が素晴らしいそうです。
私は、奥に庭園があるなんて全く知らずに、入場しませんでした。
後でその存在を知り、「行っておけばよかった・・・」と今でも思っています。
お時間のある方はぜひ行かれてみてください!!
ピッコローミニ宮【公式サイト】(イタリア語)
La splendida cittadina rinascimentale di Pienza, incastonata tra le colline della Toscana e della Va ...
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ピエンツァ【公式サイト】(イタリア語)
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ピエンツァの素敵な町並み
かわいい建物と猫さん
村の中を散歩すると、かわいい建物と猫さんたちに出会いました。
どこを歩いても、絵になります。
レトロな薬局
FARMACIAはイタリア語で「薬局」。
昔ながらの外観が残っていて、とても素敵です。
木枠のエントランスもとてもかっこいい。
名産のペコリーノチーズ
ピエンツァは、ペコリーノチーズの産地としても有名。
羊のミルクを使ったハードタイプのチーズです。
イタリア語で、雌のひつじのことを「ペコーラ」と言うところから、この名前がついたそうです。
その中でも、トスカーナで作られたものは「ペコリーノ・トスカーノ」と呼ばれています。
チーズ屋さんがあったので、のぞいてみました。
明日は、ピエンツァの周囲に広がるオルチャ渓谷をお散歩してみようと思います!
オルチャ渓谷をのんびりお散歩
カステッロ通りから、オルチャ渓谷を一望できます。 ドゥオーモ(大聖堂)左手の横の細い道を進み、さらに左側に連なる家の外壁沿いを歩いていくと「カステッロ通り(Via del Castello)」(地図は ...
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